子どもの歯周病は大人からうつる?家庭内感染の原因・対策

▼目次

 
子どもの口の健康といえば「むし歯」が真っ先に思い浮かぶ方が多いかもしれません。
しかし、実は「歯周病」も子どもにとって注意が必要な病気です。子どもの歯ぐきが腫れていたり、歯みがきのときに出血しているといった症状に気づいても、「歯周病は大人の病気」と思って見過ごしてしまうことがあります。さらに最近では、家庭内で使いまわした食器やスキンシップなどを通して、歯周病の原因菌が子どもの口に入りやすくなる可能性が指摘されています。
今回は、子どもの歯周病の症状や発症の原因、家庭内での感染予防について解説します。

 

1. 子どもの歯周病とは?主な症状

子どもの歯周病は、大人のように歯を支える骨が溶ける「重度の歯周病」に至るケースはまれですが、初期段階の歯ぐきの炎症(歯肉炎)は、一部の調査では小学生の約7割に見られると報告されています。特に、歯みがきが不十分な場合や、矯正治療中で磨きにくい状態が続くと、歯ぐきに炎症が起こりやすくなります。主な症状やサインは以下の通りです。
 

①歯ぐきの腫れ

歯と歯ぐきの境目が赤くなり、ぷっくりと腫れている状態は炎症のサインです。
 

②歯みがき時の出血

軽くブラッシングしただけで出血する場合は、歯ぐきが敏感になっている可能性があります。
 

③口臭が気になる

口の中の細菌バランスが崩れると、強い口臭を感じることがあります。
 

④歯が浮いたような感覚

歯ぐきが腫れることで、噛み合わせに違和感が出ることもあります。
 

⑤歯石やプラークの蓄積

見た目にはっきりとわかる白い汚れ(プラーク)や歯石がついていると、細菌が繁殖しやすい状態といえます。

子どもの歯周病は自覚症状が少ないため、保護者が変化に気づくことが大切です。特に、歯ぐきの色や出血の有無、口臭などを日常的にチェックする習慣をつけましょう。

 

2. 子どもの歯周病は大人から移る?発症の原因

子どもが歯周病になる主な原因は、歯みがき不足や生活習慣の乱れですが、最近では大人から子どもへの菌の移行も注意すべき要因として指摘されています。歯周病は細菌によって引き起こされる口腔内の感染症の一種であり、唾液を介して家族間で原因菌が共有される可能性があります。

主な原因や経路は以下のとおりです。

<感染経路>
 

①唾液を介したスプーンや箸の共有

親が使った食器を子どもと共有することで、原因菌が共有される可能性があります。
 

②キスや頬ずり

スキンシップで自然に行われますが、唾液が触れると菌が子どもの口に入る可能性があります
 
<発症の原因>

①保護者の口腔環境

歯周病のある保護者の口腔内には、歯周病の原因菌が多く含まれている場合があります。日常的なスキンシップや食器の共有などを通して、子どもの口に原因菌が入りやすくなることがあるため、注意が必要です。
 

②子どもの口腔衛生

歯みがきが習慣化していないと、菌が定着しやすくなります。
 

③免疫力の発達段階

子どもは免疫が未熟で、少ない菌でも炎症が起こることがあります。
 
家族全体で口腔ケアを心がけることが、子どもを歯周病から守るための第一歩です。

 
 

3. 子どもの歯周病における家庭内感染の予防対策

子どもの歯周病を防ぐには、家庭内での衛生習慣が重要です。とくに親子間のスキンシップや食器の共用など、日常の中で原因菌が口に入りやすくなる可能性があるため、以下のポイントに注意しましょう。
 

①食器や歯ブラシの共用を避ける

親が使った箸やスプーン、コップを子どもと共有すると、口腔内の細菌が入りやすくなる可能性があります。歯ブラシも個別に管理しましょう。
 

②スキンシップの際は口元を避ける

口元へのキスや頬ずりは、細菌が伝わる一因となることがあります。おでこや手など、接触の少ない部位で代用すると良いでしょう。
 

③親も定期的に歯科検診を受ける

保護者の口腔ケアが不十分だと、家庭内の衛生環境に影響します。定期的な検診とケアを心がけましょう。
 

④子どもに歯みがき習慣をつける

仕上げみがきを含めた丁寧なケアが、細菌の増殖を防ぐ基本です。家族みんなで意識を高めることが予防につながるでしょう。
 
家族全員で正しい知識と習慣を共有することが、子どもの歯周病予防に役立ちます。
 
 

4. 横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニックの小児歯科診療

横浜市緑区 長津田駅近くの歯医者 長津田おさまる歯科クリニックでは、「お口の中から全身を健康に」をテーマに、生涯楽しく美味しい食事ができて、元気に暮らせるよう、子どものうちからしっかりと歯科治療・予防歯科を受診いただくことをおすすめしています。
 

【横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニックの小児歯科】

①早期発見で将来の歯を守る子どものむし歯治療

乳歯は永久歯よりも弱いため、むし歯にかかりやすく進行も早いことが特徴です。
そのため「むし歯かもしれない」と思ったら早めに受診いただくことをおすすめします。
長津田おさまる歯科クリニックでは、お子さんの口腔環境を丁寧に検査し、早期発見・早期治療に努めています。
 

②「食育」ですこやかな成長をサポート

「お口の健康」と「食べ物」には深い関わりがあります。
特に幼少期は心身の基礎が形成されるため、どのような食生活を送るかはとても大切です。
長津田おさまる歯科クリニックではお子さんの心身のすこやかな成長のために、食べ方や食事・間食のアドバイスをご提供しております。
 

③顎の成長をサポートする小児矯正

矯正治療は見た目の印象を良くするだけでなく、将来のむし歯・歯周病リスクの低下も期待できます。子どものうちから顎の成長をサポートしきれいに並ぶ歯並びと丈夫な歯を育みましょう。

横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニックでは、親御さんと一緒にお子さんがしっかり口の中を管理できるよう、お悩みに寄り添い、お子さん一人ひとりに合わせたプランを提案できるように努めています。
横浜市緑区 長津田駅近くでお子さんの歯医者をお探しの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

まとめ

子どもの歯周病は、大人だけの病気ではありません。初期症状である歯ぐきの炎症(歯肉炎)は多くの子どもに見られ、家庭内での唾液を通じて原因菌が口に入りやすくなることで、リスクが高まる可能性もあります。親が使用する食器やスキンシップの方法、そして自身の口腔ケアの状態が、子どものお口の健康に影響を与えることを意識しましょう。予防の第一歩は、家族全体での正しい知識と日々のケア習慣です。

横浜市緑区 長津田駅周辺で子どもの歯科治療についてお悩みの方は、長津田おさまる歯科クリニックまでご相談ください。
 
 

監修:長田 裕行


経歴:
昭和大学歯学部卒業
北海道大学予防歯科医局
熊澤歯科クリニック研修
神奈川県内歯科クリニック分院長
長津田おさまる歯科クリニック開業

 
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