生まれつき子どもの歯が足りない?原因と歯医者での対策
▼目次
子どもの成長とともに乳歯から永久歯に生え変わる時期は、成長を実感できる反面、さまざまな心配ごとが出てくることもあるでしょう。「なかなか歯が生えてこないな」「他の子どもに比べて、なんだか歯が少ない気がする…」と感じる方も少なくありません。
生まれつき歯の本数が少ない「先天性欠如歯(せんてんせいけつじょし)」は、決して珍しいことではなく、この状態に早く気づき、適切な対応をすることが、子どもの健やかな成長にとってとても大切です。今回は、子どもの歯が生えてこない原因や、日常生活や歯並びへの影響、早めにできる対策について解説します。
1. 生まれつき子どもの歯が生えてこない原因は?
乳歯や永久歯が本来よりも少ない状態を「先天性欠如」と呼び、およそ10人に1人の割合で見られると言われています。なぜ歯が足りなくなるのか、主な原因を見ていきましょう。
➀遺伝が関係している場合
最もよく見られるのが、遺伝によるものです。お父さんやお母さん、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんの中に歯が少なかった方がいる場合、子どもにも同じ特徴が現れる場合があります。
➁歯のもとになる組織(歯胚)がうまく作られなかった場合
歯は、お母さんのお腹の中にいる時に「歯胚(しはい)」という歯のもとになる組織が育ってできていきます。この歯胚が、何らかの理由でうまく育たなかった場合、歯そのものが作られず、生えてこないことがあります。
③体の病気や症候群の影響
ダウン症や外胚葉異形成症といった、全身に関わる病気が原因で歯の数が足りなくなることもありますが、これは比較的まれなケースが多いでしょう。
④ケガや感染で歯の赤ちゃんが傷ついた場合
小さい頃に乳歯や顎のあたりに強い衝撃を受けたり、感染症にかかったりすると、永久歯の歯胚がダメージを受けてしまい、育たなくなることがあります。
⑤原因がはっきりしない場合
特別な原因が見当たらないのに歯が足りない、というケースもあります。このような場合でも、定期的に歯医者で診てもらうことが大切です。
「まだ歯が生えていないだけ」なのか、「もともと歯がない」のかを正確に判断するには、歯医者でのレントゲン検査が有効です。少しでも気になることがあれば、早めに歯医者に相談しましょう。
2. 生まれつき子どもの歯が足りない場合の影響とリスク
歯が足りない状態は見た目だけでなく、食べ物を噛む力や顎の成長、さらには永久歯の歯並びにも影響を与える可能性があります。特に成長期の子どもにとって、早期に対策をせずに放置することで以下のようなリスクが発生することがあります。
➀しっかり噛めず食事に支障が出る場合がある
奥歯や前歯が足りないと、食べ物をしっかり噛むことが難しくなり、消化不良を起こしたり、食事に時間がかかったりすることがあります。特定の歯ばかりで噛むことになり、その歯や顎、歯ぐきに負担がかかってしまうこともあります。
➁発音や言葉の発達への影響
特に前歯がない場合、「さしすせそ」などの発音が不明瞭になることがあります。これが続くと、言葉の発達に影響が出たり、発音にクセがついてしまったりする場合があります。
➂顎の成長のバランスが崩れる場合がある
歯が正しい位置に揃っていることで、噛む力が顎全体に均等にかかり、顎がバランス良く成長します。歯が足りないと、片側ばかりで噛む癖がつきやすくなり、顎の左右の形が非対称になる可能性も考えられます。
④永久歯の歯並びが乱れやすくなる可能性がある
歯が1本でも足りないと、その隣の歯が倒れ込んできたり、動いてしまったりして、本来永久歯が生えるはずのスペースがなくなってしまうことがあります。その結果、全体の歯並びが大きく乱れ、将来的に歯列矯正が必要になる可能性が高まります。歯並びの乱れは、見た目だけでなく、むし歯や歯ぐきの病気につながりやすくなります。
⑤見た目の違いが子どもの心に影響する場合がある
周りの子どもと自分の見た目や話し方が違うと感じると、子ども自身がコンプレックスを感じたり、自信をなくしたりすることがあります。特に思春期に近づくと、この気持ちはより強まる傾向にあります。
顎の骨の成長が不均等になってしまったり、歯を補うためのスペースが狭くなってしまったりすると、大人になってからインプラント(人工歯根)やブリッジといった治療を受ける際に、選択肢が限られたり、治療が複雑になったりすることがあります。
このように、早めに気づいて対処することで、将来的なトラブルを避けやすくなるかもしれません。
3. 子どもの歯が足りない場合の歯医者での対策
子どもの歯が足りないと判明した場合、成長とともに適切な処置を進めることが重要です。対策には年齢や症状に応じた段階的なアプローチが必要です。
➀小児歯科での定期的な検査
まずは歯医者でレントゲンを撮り、足りない歯の数や場所、顎の成長とのバランスなどを詳しく確認します。すぐに治療が必要ない場合でも、半年から1年ごとに状態をチェックし、いつどんな処置をするのが良いか、歯医者で相談しましょう。
➁歯のスペースを確保する装置を使う
永久歯がない部分に、周りの歯が倒れ込んでしまうと、後々の治療がとても難しくなります。そのため、永久歯がない部分に、周りの歯が倒れ込まないようスペースを保つ装置を使うことがあります。これは、乳歯が抜けてできた隙間を保ち、将来永久歯が生えるためのスペースを確保したり、歯並びが崩れるのを防いだりするためのものです。
③入れ歯や仮の歯を装着することも
見た目の改善や、食べ物を噛むのを助けるために、足りない部分に入れ歯や仮の歯を入れることもあります。特に前歯がない場合は、発音や見た目の問題があるため、早めの装着が検討されることがあります。
④成長に合わせて歯列矯正を検討
歯の本数や並び方によっては、永久歯が生え揃ってきた頃に、歯列矯正が有効な場合があります。治療計画は歯医者とよく相談の上、子どもの成長段階や生活に無理のないように進めていくことが大切です。
⑤子どもの心のケアも忘れずに
子ども自身が「自分だけ歯が足りない」と感じることがあります。子どもの気持ちに寄り添い、必要であれば心のサポートをすることも大切です。
子どもの歯が足りないという事実を早めに知ることで、将来に向けた計画を立てることができ、より良い治療選択に繋がりやすくなります。定期的に歯医者で診てもらい、子どもの口の中の状態を把握して、早く気づいて早く治療を始めましょう。
4. 横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニックの小児歯科診療
横浜市緑区 長津田駅近くの歯医者 長津田おさまる歯科クリニックでは、「お口の中から全身を健康に」をテーマに、生涯楽しく美味しい食事ができて、元気に暮らせるよう、子供のうちからしっかりと歯科治療・予防歯科を受診いただくことをおすすめしています。
【横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニック小児歯科】
➀早期発見で将来の歯を守る子どものむし歯治療
乳歯は永久歯よりも弱いため、むし歯にかかりやすく進行も早いことが特徴です。
そのため「むし歯かもしれない」と思ったら早めに受診いただくことをおすすめします。
長津田おさまる歯科クリニックでは、お子さんの口腔環境を丁寧に検査し、早期発見・早期治療に努めています。
➁「食育」ですこやかな成長をサポート
「お口の健康」と「食べ物」には深い関わりがあります。
特に幼少期は心身の基礎が形成されるため、どのような食生活を送るかはとても大切です。長津田おさまる歯科クリニックではお子さんの心身のすこやかな成長のために、食べ方や食事・間食のアドバイスをご提供しております。
➂顎の成長をサポートする小児矯正
矯正治療は見た目の印象を良くするだけでなく、将来のむし歯・歯周病リスクの低下も期待できます。子どものうちから顎の成長をサポートしきれいに並ぶ歯並びと丈夫な歯を育みましょう。
横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニックでは、親御さんと一緒にお子さんがしっかり口の中を管理できるよう、お悩みに寄り添い、お子さん一人ひとりに合わせたプランを提案できるように努めています。
まとめ
生まれつき子どもの歯が足りない「先天性欠如歯」は、決して珍しいことではありません。しかし、そのままにしておくと、噛み合わせや発音、顔のバランスなど、子どもの成長に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
子どもの健やかな成長のためには、早めに歯医者を受診して、歯が足りているか確認することがとても重要です。適切な時期に専門の歯医者に診てもらい、子どもの成長に合わせた治療計画を立てることで、将来的なトラブルを未然に防ぎやすくなり、子どもの成長に寄り添ったケアがしやすくなるでしょう。
横浜市緑区、長津田駅周辺で子どもの歯が足りないことでお悩みの方は、長津田おさまる歯科クリニックまでご相談ください。
監修:長田 裕行
経歴:
昭和大学歯学部卒業
北海道大学予防歯科医局
熊澤歯科クリニック研修
神奈川県内歯科クリニック分院長
長津田おさまる歯科クリニック開業