親知らず抜歯の際に使用される麻酔の種類と知っておきたい注意点

▼目次

 
親知らずの抜歯は、多くの方が経験する可能性のある処置の1つです。中でも「痛み」に対する不安を感じる方は少なくありません。実際の処置では、麻酔を使用することで痛みを抑えることが可能です。ただし、麻酔にもいくつかの種類があり、それぞれの作用時間や副作用には違いがあります。適切な治療を受けるためには、事前に麻酔の特徴や注意点を理解しておくことが大切です。
今回は、親知らずの抜歯に使用される麻酔の種類と、治療前後に気をつけたいポイントについて詳しくご紹介します。

 

1. 親知らずの抜歯に使われる麻酔の種類とは?

親知らずを抜歯する際に使用される麻酔にはいくつかの種類があり、処置内容や患者の体質に応じて選択されます。それぞれの麻酔には特徴があるため、事前に知っておくことで、処置に対する不安の軽減もできるかもしれません。
 

<使用される麻酔の種類>

 

①局所麻酔

最も一般的に使用される麻酔方法です。抜歯する部分の周囲に注射で麻酔薬を投与し、処置部位の感覚を一時的に麻痺させます。意識はある状態で、痛みを抑えながら処置が可能です。
 

②伝達麻酔

下あごの奥に位置する親知らずなど、難易度の高い抜歯に用いられることがあります。神経の根元に麻酔薬を投与することで、広範囲に麻酔効果が及びます。
 

③笑気麻酔(しょうきますい)

笑気という気体を鼻から吸入する麻酔方法で、緊張が強い方に用いられることがあります。通常は局所麻酔と併用され、処置中の不快感を和らげる目的で使用されます。吸入を中止すると比較的早く効果が切れる点が特徴です。
 

④静脈内鎮静法(セデーション)

点滴によって鎮静薬を投与し、半分眠っているような感覚に近い状態で処置を受ける方法です。強い緊張がある方や、長時間にわたる処置の際に選択されることがあります。意識は保たれたままですが、リラックスした状態を得られやすいとされています。
 

⑤全身麻酔

特に難しい抜歯や、合併症が予想される場合などに用いられます。意識が完全に失われるため、入院設備のある医療機関で、麻酔科医の立ち会いのもとで行われます。
 
 

2. 親知らずを抜く際の麻酔前の注意点

麻酔によるトラブルや体調不良を防ぐためには、処置前にいくつかの準備と注意が必要です。以下のポイントを理解し、歯科医院の指示に従って行動することが、適切な抜歯につながるでしょう。
 

<麻酔前の注意点>

①体調を整えてから来院する

発熱や風邪などの症状があると、麻酔の効果や安全性に影響する可能性があります。無理をせず、体調が万全な状態で処置を受けるようにしましょう。少しでも不調を感じた場合は、事前に歯科医院へ相談しましょう。
 

②事前の食事に注意する

局所麻酔であれば軽い食事は問題ないことが多いですが、静脈内鎮静法や全身麻酔では絶食が必要となる場合があります。事前に歯科医院の指示に従いましょう。
 

③服用中の薬を申告する

普段から服用している薬やアレルギーの有無は、麻酔薬との相互作用に関わる重要な情報です。特に血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)などは出血リスクを高める可能性があるため、正確に伝えることが求められます。
 

④妊娠中や授乳中は事前に相談を

妊娠中は使用できる麻酔が限られる場合があり、授乳中も麻酔薬の母乳への影響を確認する必要があります。事前に歯科医師へ状況を伝えてください。
 

⑤同意書などの書類を確認する

静脈内鎮静法や全身麻酔を行う場合、麻酔の影響やリスクについての説明を受け、書面で同意する必要があります。不明点があれば、納得できるまで質問しましょう。

体調や生活習慣に応じた準備を行い、不明な点は歯科医師やスタッフに相談することが、落ち着いて処置を受けるために重要です。
 
 

3. 親知らずを抜く際の麻酔後に気をつけるべきこと

抜歯後の体調を安定させるためには、麻酔が切れたあとの過ごし方にも注意が必要です。麻酔の効果が完全に取れるまでには個人差がありますが、以下の点を意識して過ごすことで、処置後のトラブルのリスクを軽減しやすくなります。
 

<麻酔後の注意点>

①麻酔が切れるまでは飲食を控える

局所麻酔が効いている間は、舌や唇の感覚が鈍くなっているため、誤って噛んだり火傷したりするリスクがあります。少なくとも1〜2時間は食事を控え、感覚が戻ってから飲食するようにしましょう。
 

②抜歯当日の運動・入浴は控える

麻酔の種類によっては、体に一時的な負担がかかる場合があります。激しい運動や長時間の入浴は血流を促進し、出血しやすくなることがあるため、当日は安静に過ごしましょう。
 

③アルコールや喫煙は避ける

麻酔後の身体に影響を与えるほか、血流の増加によって止血が遅れるおそれがあります。特に喫煙は、回復に影響を与える可能性があるため、数日間は控えるのが望ましいとされています。
 

④痛み止めや抗生剤は正しく服用する

処方された薬は、痛みの緩和や感染症予防を目的としています。自己判断で中止せず、歯科医院から指示された用法・用量を守って服用しましょう。
 

<体調に変化がある場合の対応>

①出血が続く場合の対処法

少量の出血が続く場合は、清潔なガーゼを軽く噛んで圧迫止血を行います。それでも止まらない、あるいは血のかたまり(血餅)が取れてしまった場合は、「ドライソケット(治癒の遅延が生じる状態)」の可能性もあるため、早めに歯科医院に連絡しましょう。
 

②しびれが長引く場合の対応

通常、麻酔の効果は数時間以内に切れますが、まれに神経に近い部位への影響により、しびれが長引くことがあります。半日以上経っても感覚が戻らない場合は、歯科医師に相談しましょう。

麻酔後は体調の変化が出やすい時間帯です。無理をせず、歯科医院からの指示や注意点をしっかり守ることが、回復を妨げないために重要です。
 
 

4. 横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニックの親知らず抜歯治療

長津田おさまる歯科クリニックでは、口腔外科を専門に治療してきた院長が痛み・腫れを抑えた親知らず抜歯をおこなっています。
無理に治療はせず、患者様に負担がかからない治療を心がけており、患者様のお口の中だけではなく、表情の変化や体の反応などを確認しながら治療を進めます。
 

長津田おさまる歯科クリニックが選ばれる理由

①難しい親知らず抜歯の対応も可能

親知らずが顎骨や歯茎の中に埋まっていたり、歯の根っこの形が複雑だったりすると、歯肉を切開したり骨や歯を削ったりする必要があるため、抜歯する難易度が上がります。
そのような親知らずでも、当院では対応可能なケースが多いです。
※CT撮影後、医師が判断を行い、患者様のリスクが高い場合は大学病院を紹介させていただく場合もございます。
 

②複数本抜歯など抜歯プラン多数

一般の歯科医院では、親知らずの即日抜歯には対応していません。当院でも、基本的には即日抜歯は推奨しておりませんが、患者様のご要望と口腔内のご状況によっては精密な診査・診断の上で即日抜針の対応が可能なケースもあります。
また、複数本抜歯にも対応しているため、何度も抜歯に来ていただくことなく1回で抜歯を済ませたい方にはおすすめです。
※口腔内の状態次第では、即日抜歯を行えないケースや大学病院に紹介する場合もございます。
 

③静脈内鎮静麻酔で眠ったような状態で抜歯ができる

抜歯で最も不安に思われる点は痛みだと思います。麻酔時や抜歯時の痛みを抑えるため、静脈内鎮静法での麻酔の対応が可能です。
静脈内鎮静法とは、静脈注射で抗不安薬や静脈麻酔薬などを使用し鎮静状態にするものです。眠ったような状態となり、痛みを抑えた状態で抜歯を行うことができます。
 

➃痛みを抑えるための短い抜歯時間

親知らずの抜歯にかかる時間は身体への負担が少なくなるため短い方が良いです。時間が長くなると治療後の痛みや腫れがひどくなる可能性があります。
まっすぐキレイに生えている親知らずなど、簡単なケースであれば、抜歯だけなら最短1分ほど対応が可能です。
また、横向きに生えて顎骨や歯茎の中に埋まっている難しい親知らずの場合でもほとんどのケースで30分前後で抜歯が完了します。

長津田おさまる歯科クリニックでは口腔外科に携わってきた歯科医師が診療しますので、親知らずでお困りの方は是非当院までご相談ください。
抜歯が怖い・不安という患者様には時間を惜しまず丁寧に、ご納得いただくまで説明を行います。

まとめ
 
親知らずの抜歯に使用される麻酔には、局所麻酔から静脈内鎮静法、全身麻酔まで複数の種類があり、それぞれに特徴と注意点があります。術前後の体調管理や生活上の注意を意識することで、トラブルのリスクを減らすことができます。不安や疑問がある場合は、遠慮せずに歯科医師に相談しましょう。

横浜市緑区、長津田駅周辺で親知らずの麻酔や抜歯について気になることがある方は、長津田おさまる歯科クリニックまでお問い合わせください。

 
 

監修:長田 裕行


経歴:
昭和大学歯学部卒業
北海道大学予防歯科医局
熊澤歯科クリニック研修
神奈川県内歯科クリニック分院長
長津田おさまる歯科クリニック開業

 
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