横向きの親知らずを抜く方法とは?手順と注意点を徹底解説
▼目次
親知らずの中でも「横向きに生えている」タイプは、抜歯が難しいとされており、不安に感じる方も多いでしょう。特に歯ぐきの中に埋まっているケースでは、見た目ではわかりにくく、痛みや腫れを伴って初めて気づくこともあります。今回は、横向きに生えた親知らずの抜歯方法や流れ、注意点について解説します。
1. 親知らずが横向きに生えるのはなぜ?
親知らずが横向きに生える理由には、顎の大きさの問題や歯の生える角度、遺伝的な体質など、いくつかの要因が複雑に関係しています。ここでは、横向きに生えてしまう背景について解説します。
①顎のスペース不足
親知らずは、他の歯が生え揃った後に最後に出てくるため、奥歯のさらに奥に生える場所が必要です。スペースが足りないと、まっすぐに生えることができず、横向きや斜めに生える原因になります。
②隣の歯との衝突
成長途中で手前の歯(第二大臼歯)にぶつかると、まっすぐ生えることができず、その場で傾いたまま位置が固定されてしまうことがあります。
③歯ぐきや骨に埋まったままでとどまってしまう
歯ぐきや顎の骨の中に完全に埋まった状態でとどまるケースもあり、「埋伏歯」と呼ばれます。自覚症状が出にくいため、気づいたときには炎症や痛みが進行していることもあります。
④遺伝的・個人差の影響
骨格や歯並び、歯の大きさなどの遺伝的な要因によって、横向きに生えやすい体質の方もいます。
早めに歯医者に行くことで、親知らずの状態を確認しやすくなり、将来的なトラブルの早期対応につながります。
2. 横向きで埋伏している親知らずを抜く方法とは?
横向きに生えた親知らずが歯ぐきや骨に埋まっている場合、一般的な抜歯とは異なり、状況に応じた外科的処置が必要になります。抜歯の難易度は、歯の向きや埋まり具合、神経や骨との位置関係などによって異なります。
①レントゲンやCTでの診断
親知らずの位置や角度、周囲組織との関係を確認するため、事前にレントゲンやCTを使った検査を行います。これにより適切な処置方法を立てることができます。
②歯ぐきの切開
親知らずが完全に見えていない場合は、歯ぐきを切開して歯を露出させる必要があります。
③周囲の骨を削る処置
親知らずが骨の中に深く埋まっている場合、歯の周囲の骨を一部削って取り出しやすくします。
④歯の分割
歯をそのまま抜くことが難しい場合は、歯を2〜3つに分割して取り出す方法が用いられます。
⑤傷口の洗浄と保護
抜歯後は傷口を洗浄し、周囲の神経や歯ぐきに影響が出ないよう注意しながら処置を進めます。
⑥縫合と止血
最後に傷口を縫合し、必要に応じて止血剤を使用します。その後ガーゼを噛んで圧迫止血を行います。術後は安静にし、出血や腫れへの注意が必要です。
このように、横向きの親知らずを抜くには複数の工程があり、事前の検査と適切な処置が重要です。
3. 横向き・埋伏親知らずの抜歯後に気をつけること
埋伏している親知らずの抜歯では、骨の削除や歯の分割などの処置が行われるため、術後に腫れや痛み、出血などの症状が出ることがあります。術後の過ごし方によって治癒の経過に差が出るため、適切なケアを心がけることが大切です。
①強いうがいは避ける
抜歯直後のうがいは、傷口をふさぐ血のかたまり(血餅)を洗い流してしまう恐れがあります。血餅が失われると「ドライソケット」と呼ばれる強い痛みが起きる場合があります。
②安静に過ごす
当日は激しい運動や長風呂、飲酒を控えましょう。血流が増えると出血や腫れが強くなる可能性があります。
③食事は刺激の少ないものを
麻酔が切れた後に、柔らかくて常温に近い食べ物を選び、反対側で噛むようにしましょう。傷口を刺激しないことが重要です。
④処方薬は指示通りに服用
痛み止めや抗菌薬が出された場合は、医師の指示に従いましょう。自己判断で中断すると、炎症が悪化する可能性があります。
⑤冷やして腫れを抑える
処置当日は頬の外側から保冷剤でやさしく冷やすことで、腫れに対する対処として、外から冷やす方法が用いられることがあります。ただし冷やしすぎには注意が必要です。
術後のケアを丁寧に行うことで、感染や合併症などのリスクを抑えるために役立つことがあります。強い痛みや出血、しびれなどの症状が続く場合は、早めに歯医者へ相談しましょう。
4. 横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニックの親知らず抜歯治療
横浜市緑区 長津田駅近くの歯医者 長津田おさまるクリニックでは、口腔外科を専門に治療してきた院長が痛み・腫れを抑えた親知らず抜歯をおこなっています。
無理に治療はせず、患者様に負担がかからない治療を心がけており、患者様のお口の中だけではなく、表情の変化や体の反応などを確認しながら治療を進めます。
長津田おさまる歯科クリニックが選ばれる理由
①難しい親知らず抜歯の対応も可能
親知らずが顎骨や歯茎の中に埋まっていたり、歯の根っこの形が複雑だったりすると、歯肉を切開したり骨や歯を削ったりする必要があるため、抜歯する難易度が上がります。
そのような親知らずでも、当院では対応可能なケースが多いです。
※CT撮影後、医師が判断を行い、患者様のリスクが高い場合は大学病院を紹介させていただく場合もございます。
②複数本抜歯など抜歯プラン多数
一般の歯科医院では、親知らずの即日抜歯には対応していません。当院でも、基本的には即日抜歯は推奨しておりませんが、患者様のご要望と口腔内のご状況によっては精密な診査・診断の上で即日抜歯の対応が可能なケースもあります。
また、複数本抜歯にも対応しているため、何度も抜歯に来ていただくことなく1回で抜歯を済ませたい方にはおすすめです。
※口腔内の状態次第では、即日抜歯を行えないケースや大学病院に紹介する場合もございます。
③静脈内鎮静麻酔で眠ったような状態で抜歯ができる
抜歯で最も不安に思われる点は痛みだと思います。麻酔時や抜歯時の痛みを抑えるため、静脈内鎮静法での麻酔の対応が可能です。
静脈内鎮静法とは、静脈注射で抗不安薬や静脈麻酔薬などを使用し鎮静状態にするものです。眠ったような状態となり、痛みを抑えた状態で抜歯を行うことができます。
④痛みを抑えるための短い抜歯時間
親知らずの抜歯にかかる時間は身体への負担が少なくなるため短い方が良いです。時間が長くなると治療後の痛みや腫れがひどくなる可能性があります。
まっすぐキレイに生えている親知らずなど、簡単なケースであれば、抜歯だけなら最短1分ほど対応が可能です。
また、横向きに生えて顎骨や歯茎の中に埋まっている難しい親知らずの場合でもほとんどのケースで30分前後で抜歯が完了します。
長津田おさまる歯科クリニックでは口腔外科に携わってきた歯科医師が診療しますので、親知らずでお困りの方は是非当院までご相談ください。
抜歯が怖い・不安という患者様には時間を惜しまず丁寧に、ご納得いただくまで説明を行います。
まとめ
横向きや埋伏している親知らずは、痛みや腫れ、噛み合わせの不調など、さまざまなトラブルにつながることがあります。抜歯は、レントゲンやCTによる事前の診断をもとに、切開・分割・縫合などの外科的手順を伴って行われます。術後のケアや生活上の注意点も、経過を良好に保つためには大切です。親知らずでお悩みの方は、横浜市緑区・長津田駅近くの歯医者「長津田おさまる歯科クリニック」までご相談ください。
監修:長田 裕行
経歴:
昭和大学歯学部卒業
北海道大学予防歯科医局