乳歯の抜歯は必要?放置するリスクと受診の目安
▼目次
子どもの乳歯は成長に伴って自然に抜け、永久歯に生え替わっていくのが一般的です。しかし「乳歯がなかなか抜けない」「ぐらぐらしているのに残っている」といった状況になると、このまま様子を見て良いのか、それとも歯医者で抜歯をした方が良いのか迷う親御さんも少なくありません。乳歯の生え替わりには個人差があり、自然に抜けるケースもあれば、処置が必要となるケースもあります。この記事では、乳歯の抜歯が必要になる場合や放置によるリスク、歯医者で相談すべき目安について解説します。
1. 乳歯の抜歯は本当に必要?自然に抜けるサインとは
乳歯はおおよそ6歳前後から抜け始め、12歳頃までに永久歯に生え替わるのが一般的な流れです。乳歯の根は永久歯の成長に伴って少しずつ吸収され、やがて揺れが大きくなって自然に抜けます。次のようなサインが見られる場合は、自然に抜ける可能性が高いと考えられます。
①歯が大きくぐらぐらしている
乳歯の根が短くなり、指や舌で触ると大きく動くようになると抜ける準備が進んでいるサインです。この段階では、食事中に自然に取れることもあります。
②食事中に違和感を訴える
噛んだときに歯が揺れ、「噛みにくい」と子どもが感じる場合は、乳歯が抜ける時期が近いサインです。違和感が出るのは自然な過程といえます。
③永久歯が歯ぐきから見えている
乳歯の下から白い永久歯が見えてくると、乳歯は自然に押し出されるように抜けていきます。
④強い痛みや腫れがない
通常、自然に抜ける場合は強い痛みや炎症を伴いません。違和感程度にとどまっていれば、様子を見ても問題ないケースが多いです。
⑤子どもの成長に合っている
歯の生え替わりには個人差があります。他の子と比べて時期が遅れていても異常と判断する必要はありません。
このようなサインが見られる場合は、多くは自然に抜けるため、すぐに抜歯を考える必要はありません。家庭では清潔を保ちつつ経過を観察し、不安があれば歯医者で確認することが大切です。
2. 乳歯がぐらぐらしているのに抜けないときのリスク
乳歯は自然に抜けるのが基本ですが、場合によっては放置することでトラブルにつながり、抜歯が必要になるケースもあります。ここでは考えられるリスクを解説します。
①永久歯の位置異常
乳歯が抜けずに残っていると、永久歯が正しい位置に生えることができず、横や斜めにずれることがあります。その結果、歯列全体が乱れ、将来的に矯正治療が必要になる可能性も考えられます。
②二重歯列になる
乳歯と永久歯が並んで存在する「二重歯列」が見られる場合、見た目に影響するだけでなく、噛み合わせが不安定になることがあります。特に下の前歯で起こりやすく、食事や会話に支障が出ることもあります。
③むし歯や歯ぐきの炎症
乳歯と永久歯が重なると歯磨きがしにくくなり、汚れがたまりやすくなります。これにより、乳歯だけでなく生えたばかりの永久歯もむし歯になりやすく、歯ぐきが腫れるなど炎症が生じるリスクも高まる可能性があります。
④痛みや違和感が続く
ぐらぐらした乳歯が残っていると、食事のたびに痛みや違和感を訴えることがあります。こうした不快感は、子どもの食欲や発音の習得にも影響する場合があります。
⑤顎の発育への影響
乳歯の残存によって噛み合わせが偏ると、顎の成長バランスに影響することがあります。特に奥歯の噛み合わせがずれると、将来的な顎関節の不調につながることもあります。
乳歯がぐらついているのに抜けない状態が続くと、将来的に歯科での処置が必要になる場合があります。判断が難しいときは早めに歯医者へ相談するのが望ましいでしょう。
3. 歯医者で乳歯の抜歯が必要とされる場合の判断基準
自然に抜ける乳歯が多い一方で、歯医者での抜歯が必要と判断されることがあります。以下に代表的な状況を説明します。
①永久歯が見えているのに乳歯が動かない
永久歯が顔を出しているのに乳歯がしっかり残っている場合、永久歯が生えるスペースがなくなり、歯並びの乱れを引き起こすことがあります。このような場合は、抜歯をしてスペースを確保する必要が出てきます。
②二重歯列が長期間続いている
乳歯と永久歯が並んで残り、自然に抜ける気配がない場合は、処置が必要になることがあります。
③強い痛みや炎症がある
乳歯の周囲に腫れや膿がある場合は、自然に抜けるのを待つよりも処置が優先されることがあります。
④乳歯が残る時期を大きく過ぎている
12歳頃までに乳歯は抜けるのが一般的ですが、それを過ぎても残っている場合は、永久歯の成長に支障を与える可能性があります。歯医者での確認が欠かせません。
⑤歯医者の診察で処置が必要と判断された
噛み合わせや顎の発育を総合的に見て、専門的に抜歯が必要とされることがあります。特に歯列全体のバランスを考慮した診断は家庭では難しく、専門家の判断が重要です。
これらの目安に当てはまる場合は、放置せず歯医者に相談して確認してもらうことが大切です。
4. 横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニックの小児歯科診療
横浜市緑区 長津田駅近くの歯医者 長津田おさまる歯科クリニックでは、「お口の中から全身を健康に」をテーマに、生涯楽しく美味しい食事ができて、元気に暮らせるよう、子供のうちからしっかりと歯科治療・予防歯科を受診いただくことをおすすめしています。
【横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニック小児歯科】
➀早期発見で将来の歯を守る子どものむし歯治療
乳歯は永久歯よりも弱いため、むし歯にかかりやすく進行も早いことが特徴です。
そのため「むし歯かもしれない」と思ったら早めに受診いただくことをおすすめします。
長津田おさまる歯科クリニックでは、お子さんの口腔環境を丁寧に検査し、早期発見・早期治療に努めています。
➁「食育」ですこやかな成長をサポート
「お口の健康」と「食べ物」には深い関わりがあります。
特に幼少期は心身の基礎が形成されるため、どのような食生活を送るかはとても大切です。長津田おさまる歯科クリニックではお子さんの心身のすこやかな成長のために、食べ方や食事・間食のアドバイスをご提供しております。
➂顎の成長をサポートする小児矯正
矯正治療は見た目の印象を良くするだけでなく、将来のむし歯・歯周病リスクの低下も期待できます。子どものうちから顎の成長をサポートしきれいに並ぶ歯並びと丈夫な歯を育みましょう。
横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニックでは、親御さんと一緒にお子さんがしっかり口の中を管理できるよう、お悩みに寄り添い、お子さん一人ひとりに合わせたプランを提案できるように努めています。
まとめ
乳歯は多くの場合、自然に抜けるため必ずしも抜歯が必要ではありません。しかし、永久歯が出てきても乳歯が揺れない、二重歯列が長く続いている、強い痛みや炎症を伴っているといった状況では、放置すると歯並びや噛み合わせに影響を与える場合があります。抜歯の必要性は子どもの成長や歯の状態によって異なり、家庭で判断するのは難しいケースも少なくありません。気になる症状がある場合は早めに歯医者で確認することが望ましいでしょう。
横浜市緑区周辺で乳歯の抜歯についてお悩みの方は、長津田駅近くの歯医者 長津田おさまる歯科クリニックまでお問い合わせください。
監修:長田 裕行
経歴:
昭和大学歯学部卒業
北海道大学予防歯科医局