親知らず抜歯後の抜糸はいつ?抜歯後の痛みが続くときの対処法も紹介
▼目次
親知らずの抜歯は、口の中のトラブルを未然に防ぐために行われることが多い処置ですが、処置後の「抜糸のタイミング」や「痛みが長引く原因」について不安を抱く方も少なくありません。特に、「いつまで痛みが続くのか」「抜糸はいつするのか」など、術後の過ごし方に関する情報は気になるところです。
今回は、親知らずの抜歯後に行われる抜糸の一般的な目安や、痛みが長引くときに考えられる原因とその対処法について解説します。
1. 親知らず抜歯後の抜糸はいつ?平均的な日数の目安
親知らずを抜いたあと、縫合処置が行われることがあります。この縫合に使われる糸は、抜糸が必要なタイプと自然に溶けるタイプがあり、使用される糸によって対応が異なります。
一般的に、抜糸が必要なケースでは、抜歯後 7日〜10日程度 で抜糸が行われることが多いです。これは、歯ぐきの傷口がある程度ふさがり、炎症が落ち着いてくるタイミングを目安にしているためです。
<抜糸の対応について>
①平均的な抜糸の時期は7〜10日後
術後1週間ほどで、腫れや痛みが軽減してくるため、その頃に抜糸を行うことで組織の治癒を促進します。
②溶ける糸が使われている場合は抜糸不要
溶ける糸(吸収性縫合糸)が使用されている場合は、自然に糸が分解されていくため、通院して抜糸する必要はありません。これは歯科医師の判断で使用されます。
<抜糸が遅れると起こり得るリスク>
抜糸のタイミングが遅れると、糸が歯ぐきに食い込んでしまい、炎症や腫れを再発させることがあります。予定通りの通院が大切です。
<痛みや腫れが続く場合は歯科医師に相談>
抜糸前に痛みや腫れが強く出た場合は、感染の可能性もあるため、予定日を待たずに歯科医院へ相談することが重要です。
術後の経過には個人差がありますが、自己判断せず、歯科医師の指示に従うことが回復への近道です。
2. 親知らず抜歯後の痛みが長引く場合に考えられる原因と対処法
通常、親知らずの抜歯後の痛みは 2〜3日がピーク で、1週間ほどで徐々に落ち着いていきます。しかし、1週間以上経っても痛みが続く場合は、何らかのトラブルが発生している可能性があります。ここでは主な原因と、それぞれの対処法を紹介します。
①ドライソケット
原因:血餅(けっぺい)と呼ばれる血のかたまりが剥がれてしまい、骨が露出してしまう状態です。強いうがいや喫煙、舌や指で触ることで発生しやすくなります。
対処法:歯科医院での処置が必要です。患部を洗浄し、痛みを和らげるための軟膏や薬剤を塗布することがあります。また、痛み止めや抗生物質が処方されることもあります。自然治癒を待つ間は刺激を避け、再発防止のため喫煙やうがいを控えましょう。
②感染症(細菌感染)
原因:抜歯した部位に細菌が入り、炎症を引き起こすことで痛みや腫れ、膿、口臭などが発生します。
対処法:抗生物質の服用が必要になります。腫れが強い場合や膿が出ている場合は、患部を洗浄し、必要に応じて切開して膿を出す処置が行われることもあります。早期に歯科医院を受診しましょう。
③縫合部分の炎症や糸による刺激
原因:縫合糸が歯ぐきに食い込み、炎症を起こすことがあります。抜糸のタイミングが遅れると起こりやすくなります。
対処法:抜糸を行うことで痛みや違和感が軽減するケースが多いです。予定日より前でも、気になる症状がある場合は受診して相談することが大切です。
④隣接歯や歯ぐきの炎症
原因:抜歯の影響で隣の歯や歯ぐきに刺激が加わり、炎症や痛みが起こることがあります。
対処法:軽度であれば鎮痛剤や抗炎症薬で様子を見ることが可能ですが、痛みが強い場合はレントゲンなどで状態を確認し、必要に応じてクリーニングや薬剤処置を行います。
⑤骨片(シャープネル)や骨の露出
原因:抜歯の際に細かな骨片が残っていた場合、それが歯ぐきの中から出てくると強い痛みを伴います。
対処法:歯科医院で骨片の除去を行うことで、痛みが改善します。自然に抜け落ちることもありますが、違和感が続く場合は無理に触らず受診してください。
痛みが長引くときは、自己判断で市販薬に頼るのではなく、早めに歯科医院を受診し、原因に応じた適切な処置を受けることが大切です。
3. 親知らずの抜歯後のセルフケアと再診の目安
抜歯後の経過を良好にするためには、適切なセルフケアが非常に重要です。痛みや腫れを最小限に抑え、感染を防ぐためにも、日常生活で注意すべき点を知っておきましょう。また、再診が必要なタイミングも見極めることが大切です。
①うがいは控えめに行う
抜歯直後は血餅(けっぺい)という血のかたまりが傷口を保護しています。頻繁なうがいや強いうがいをすると、この血餅が流れてしまい、ドライソケットを引き起こす原因になります。歯科医師からうがい薬が処方された場合は、やさしく使用し、うがいも控えめに行いましょう。
②食事は柔らかく冷たいものからスタート
抜歯した日は、できるだけ刺激の少ない食べ物を選びましょう。おかゆ、ヨーグルト、ゼリーなどが推奨されます。熱いものや、辛い・酸っぱいものは傷を刺激する可能性があるため避けるようにしてください。さらに、抜歯部位とは反対側で噛むことを心がけると、治癒が進みやすくなります。
③適切な歯磨きを心がける
抜歯した部分を避けて歯磨きするのはもちろんですが、ほかの部分も清潔に保つことが感染予防につながります。歯磨き粉は刺激が少ないものを選び、ブラッシングもやさしく丁寧に行いましょう。
④処方された薬はきちんと服用する
抗生物質や鎮痛剤が処方された場合は、歯科医師の指示通りに服用してください。痛みが軽減したからといって自己判断で服用をやめると、症状がぶり返したり、感染のリスクが高まります。
⑤入浴や運動は控える
抜歯当日は血流が増えるような行動(長風呂、激しい運動、飲酒など)を避ける必要があります。血行が良くなりすぎると、出血や腫れが悪化する可能性があります。抜歯から数日は安静を心がけるのが望ましいです。
⑥再診の目安と受診の必要がある症状
通常は、抜糸や経過観察のために1週間前後で再診が設定されます。ただし、以下のような症状がある場合は予定日を待たずに早めに受診しましょう。
<再診の目安>
・激しい痛みが続く
・頬の腫れが増してくる
・口が開きにくい
・膿や強い口臭が出る
・発熱を伴う
術後の変化を見逃さず、適切に対応することがトラブルの予防につながるでしょう。
4. 横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニックの親知らず抜歯治療
長津田おさまるクリニックでは、口腔外科を専門に治療してきた院長が痛み・腫れを抑えた親知らず抜歯をおこなっています。
無理に治療はせず、患者様に負担がかからない治療を心がけており、患者様のお口の中だけではなく、表情の変化や体の反応などを確認しながら治療を進めます。
長津田おさまる歯科クリニックが選ばれる理由
①難しい親知らず抜歯の対応も可能
親知らずが顎骨や歯茎の中に埋まっていたり、歯の根っこの形が複雑だったりすると、歯肉を切開したり骨や歯を削ったりする必要があるため、抜歯する難易度が上がります。
そのような親知らずでも、当院では対応可能なケースが多いです。
※CT撮影後、医師が判断を行い、患者様のリスクが高い場合は大学病院を紹介させていただく場合もございます。
②複数本抜歯など抜歯プラン多数
一般の歯科医院では、親知らずの即日抜歯には対応していません。当院でも、基本的には即日抜歯は推奨しておりませんが、患者様のご要望と口腔内のご状況によっては精密な診査・診断の上で即日抜針の対応が可能なケースもあります。
また、複数本抜歯にも対応しているため、何度も抜歯に来ていただくことなく1回で抜歯を済ませたい方にはおすすめです。
※口腔内の状態次第では、即日抜歯を行えないケースや大学病院に紹介する場合もございます。
③静脈内鎮静麻酔で眠ったような状態で抜歯ができる
抜歯で最も不安に思われる点は痛みだと思います。麻酔時や抜歯時の痛みを抑えるため、静脈内鎮静法での麻酔の対応が可能です。
静脈内鎮静法とは、静脈注射で抗不安薬や静脈麻酔薬などを使用し鎮静状態にするものです。眠ったような状態となり、痛みを抑えた状態で抜歯を行うことができます。
➃痛みを抑えるための短い抜歯時間
親知らずの抜歯にかかる時間は身体への負担が少なくなるため短い方が良いです。時間が長くなると治療後の痛みや腫れがひどくなる可能性があります。
まっすぐキレイに生えている親知らずなど、簡単なケースであれば、抜歯だけなら最短1分ほど対応が可能です。
また、横向きに生えて顎骨や歯茎の中に埋まっている難しい親知らずの場合でもほとんどのケースで30分前後で抜歯が完了します。
長津田おさまる歯科クリニックでは口腔外科に携わってきた歯科医師が診療しますので、親知らずでお困りの方は是非当院までご相談ください。
抜歯が怖い・不安という患者様には時間を惜しまず丁寧に、ご納得いただくまで説明を行います。
まとめ
親知らずの抜歯後は、適切なタイミングでの抜糸や痛みへの対応が大切です。平均的な抜糸の時期は7〜10日後で、必要に応じて再診や処置が行われます。また、術後の痛みが長引く場合には、ドライソケットや感染などのトラブルが隠れている可能性があるため、早めに受診することが望まれます。
日常生活では、喫煙やストローの使用、強いうがいなどは避け、清潔で安静な環境を保つことが治癒を促進します。薬の服用や食事の工夫、睡眠の確保など、些細なことでも意識することがトラブル予防に役立ちます。
横浜市緑区、長津田駅周辺で親知らずの抜歯に関してお悩みの方は、長津田おさまるクリニックまでご相談ください。
監修:長田 裕行
経歴:
昭和大学歯学部卒業
北海道大学予防歯科医局
熊澤歯科クリニック研修
神奈川県内歯科クリニック分院長
長津田おさまる歯科クリニック開業